静岡県を代表する銘酒「開運」の
「波瀬正吉氏」が亡くなられた。
蔵元さんからの手紙に
突然の訃報が書かれていました。
波瀬正吉氏といえば
「常きげん」の「農口氏」、
「満寿泉」の「三盃氏」
「天狗舞」の「中氏」と
『能登杜氏四天王』といわれた方だ。
そして杜氏さんのお名前が
最高級大吟醸として売り出された
最初の方といってもいい。
個人的なことですが
私にとって波瀬正吉氏は
日本酒の原点であり、恩人であります。
20数年前、静岡市内で修業をしていた頃
酒販店の社長さんが、体験研修として
開運さんに1週間、泊まり込みで
酒造りのお手伝いをさせていただいたのです。
それまで、酒造りの理論だけは習得していたのですが
実際の現場を体験するのは
それが初めて。
まだ真っ暗なうちから米を蒸し
蒸し終わった米を直ちに走って運ぶ
力作業に始まり、
汗だくで「麹室」での作業。
大吟醸を造る時の
ストップウォッチで秒単位での
緊張感走る「洗米」や
特にその「麹造り」の時は
波瀬氏は深夜でも1時間おきに起き
室に入り、確認するという
過酷な工程をひとりでされていた。
何もわからない私にも丁寧に
作業工程を教えていただき
体験させていただいたことは
今でも大きな財産になっています。
また仕事だけでなく、蔵人の方全員と
作業終了後、毎日お酒を飲み、食事をしながら
「蔵人の生活」を体験させていただいたのも
「開運」さんで全て教えていただきました。
(夕方5時過ぎから酒を飲み、食事をし、
8時か9時には就寝という生活でした)
「開運」さんの杜氏になられて今春まで
41年になるんだそうです。
波瀬杜氏、ありがとうございました。
合掌
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